過去問 第25回 

問題1 介護保険制度の考え方として適切なものはどれか。 3つ選べ。

1 要介護者の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことを目指す。

2 高齢者の介護を社会全体で支える。

3 認知症高齢者の施設入所を促進する。

4 要介護者へのサービスを画一的な内容にする。

5 保険給付は、多様な事業者又は施設から、 総合的かつ効率的にサービスが提供されるよう配慮する。

解答 1・2・5

1 介護保険の目的(第1条)に、尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営む・・・とあります。このように介護保険法に記載されている内容となります。

2 介護保険は社会保険の一つです。社会保険は支援が必要な人をみんなで支える仕組みです。介護保険の基本理念(第2条)にも、「国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け・・・」と記載されています。そのへんを踏まえても正しい。

3 施設入所について促進していませんね。できる限り住み慣れた地域や居宅での生活をめざします。

4 画一的という表現は間違いですね。介護保険制度は利用者が自分に合う事業所などと契約をしてサービスを利用します。多様なサービス内容となります。

5 介護保険法第2条にも、「被保険者の選択に基づき・・・多様な事業者または施設から、総合的かつ効率的に提供されるように配慮」ことのような記載があり、正しい。

問題2  社会福祉法における「重層的支援体制整備事業」について正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 都道府県が行う。 

2 地域生活課題を抱える地域住民の社会参加のための支援が含まれる。 

3 地域づくりに向けた支援が含まれる。 

4 地域生活課題を抱える地域住民の家族に対する包括的な相談支援が含まれる。 

5 介護保険の居宅介護支援が含まれる

解答 2・3・4

「重層的支援体制整備事業」は2021年4月から施行されました。ポイントは市町村任意で行う事業であること。①相談支援 ②参加支援 ③地域づくりに向けた支援
これらを一体的にするとされています。

1 市町村が行う事業です。

5 設問には「社会福祉法」との記載があり、介護保険の事業ではありませんので、居宅介護支援は誤りです。

問題3 介護保険法第5条に規定されている「国及び地方公共団体の責務」として正しいものはどれか。 3つ選べ。 

1 国は、保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策を講じなければならない。 

2 国及び地方公共団体は, 障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るように努めなければならない。 

3 都道府県は,介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、 必要な助言及び適切な援助をしなければならない。 

4 市町村は、要介護者等の医療に要する費用の適正化を図るための施策を実施しなければならない。 

5 市町村は,地域において医療及び介護が総合的に確保されるよう指針を定めなければならない。

解答 1・2・3

(国及び地方公共団体の責務)

第五条 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

3 国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。

4 国及び地方公共団体は、前項の規定により同項に掲げる施策を包括的に推進するに当たっては、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めるとともに、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない。

(認知症に関する施策の総合的な推進等)

第五条の二 国及び地方公共団体は、認知症(アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいう。以下同じ。)に対する国民の関心及び理解を深め、認知症である者への支援が適切に行われるよう、認知症に関する知識の普及及び啓発に努めなければならない。

2 国及び地方公共団体は、被保険者に対して認知症に係る適切な保健医療サービス及び福祉サービスを提供するため、研究機関、医療機関、介護サービス事業者(第百十五条の三十二第一項に規定する介護サービス事業者をいう。)等と連携し、認知症の予防、診断及び治療並びに認知症である者の心身の特性に応じたリハビリテーション及び介護方法に関する調査研究の推進に努めるとともに、その成果を普及し、活用し、及び発展させるよう努めなければならない。

3 国及び地方公共団体は、地域における認知症である者への支援体制を整備すること、認知症である者を現に介護する者の支援並びに認知症である者の支援に係る人材の確保及び資質の向上を図るために必要な措置を講ずることその他の認知症に関する施策を総合的に推進するよう努めなければならない。

4 国及び地方公共団体は、前三項の施策の推進に当たっては、認知症である者及びその家族の意向の尊重に配慮するとともに、認知症である者が地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することができるように努めなければならない。
                                  (厚生労働省HPより)

問題4 2019 (令和元)年度の第1号被保険者の状況について正しいものはどれか。2つ選べ。 

1  前期高齢者数は, 後期高齢者数の3倍を超えている。 

2  3,000万人を超えている。 

3 要介護及び要支援の認定者が占める割合は, 40%を超えている。 

4 要介護及び要支援の認定者のうち, 要介護3以上の者が占める割合は、50%を超えている。 

5 保険給付費のうち、居宅サービス及び地域密着型サービスが占める割合は,50%を超えている。

解答 2・5

1 第1号被保険者→約3600万人 第2号被保険者→4300万人 
  前期高齢者(65歳以上75歳未満)→ 1726万人
  後期高齢者(75歳以上)→ 1829万人 後期高齢者の方が少し多い。

2 第1号被保険者→約3600万人

3 要介護・要支援認定を受けているのは約660万人 18.5%くらい。

4 要介護3以上の者が占める割合は、約30% 要介護1の認定を受けている人の割が一番多く、20%ぐらいになります。

5 設問の通りです。

動画解説

動画解説2

問題5 介護保険の被保険者資格の取得及び喪失について正しいものはどれか。2つ選べ。 

1 医療保険加入者が40歳に達したとき、住所を有する市町村の被保険者資格を取得する。 

2 第1号被保険者が生活保護の被保護者となった場合は、被保険者資格を喪失する。 

3 入所前の住所地とは別の市町村に所在する養護老人ホームに措置入所した者は、その養護老人ホームが所在する市町村の被保険者となる。 

4 居住する市町村から転出した場合は、その翌日から、転出先の市町村の被保険者となる。 

5 被保険者が死亡した場合は、その翌日から、被保険者資格を喪失する。

解答

1 第2号被保険者の要件は、市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満で医療保険に加入している人です。設問は被保険者の要件ですね。

2 第1号被保険者の要件は、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の人。この要件を満たせば被保険者になりますので、生活保護の有無は関係がありません。

3 住所地特例についての問題です。まずは住所地特例対象施設について
介護保険施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サ高住、この施設に入所、入居した場合、施設の住所がある市町村ではなく、もといた市町村の被保険者になります。

4 被保険者資格を得るのはその日、失うのは翌日です。転出先の市町村の被保険者となるのは翌日でなはなく、転入した日に新しい市町村の被保険者となります。転出日は関係ありません。

5 被保険者資格を失うのは、「翌日」です。死亡した場合は、死亡した翌日に被保険者資格を失います。

動画解説

問題6 介護支援専門員について正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 登録を受けている者が死亡した場合には、その相続人はその旨を届け出なければならない。 

2 登録の申請の10年前に居宅サービスにおいて不正な行為をした者は,登録を受けることができない。 

3 都道府県知事は、信用を傷つけるような行為をした介護支援専門員の登録を消除することができる。 

4 介護支援専門員証の交付を受けていなくても、業務に従事することができる。 

5 更新研修を受けた者は, 介護支援専門員証の有効期間を更新することができる

解答 1・3・5

1 設問の通り、介護保険法69条にそのような記載があります。

2 10年前ではなく、5年です。

3 設問の通り。介護支援専門員の義務は7つあります。
  1公正・中立な業務遂行義務 2基準遵守義務 3資質向上努力義務 4介護支援専門員証の不正使用の禁止 5名義貸しの禁止 6信用失墜行為の禁止 7秘密保持義務

4 実務研修受講試験に合格→実務研修課程終了→都道府県知事に登録→介護支援専門員証の交付、その後業務に従事することができます。

5 その通りです。5年ごとに更新の必要があります。

画解説

問題7 介護保険施設について正しいものはどれか。2つ選べ。 

1 介護老人福祉施設の入所定員は, 50人以上でなければならない。 

2 介護老人保健施設の管理者となる医師は, 都道府県知事の承認を受けなければならない。 

3 2024 (令和6)年3月31日までは、新たに指定介護療養型医療施設の指定を受けることができる。 

4 入所者ごとに施設サービス計画を作成しなければならない。 

5 地域密着型介護老人福祉施設は、含まれる。

解答 2・4

1 介護老人福祉施設の入所定員は、30人以上です。29人以下は地域密着型介護老人保健施設福祉施設入所者生活介護になります。この違いをしっかり押さえておきましょう。

2 管理者は原則として、都道府県知事の承認を受けた医師とする規定があります。また、都道府県知事の承認を受け、医師以外の者に当該介護老人保健施設を管理させることができる。ついでに覚えておきましょう。

3 介護医療院は廃止が決まっていますので、新たに指定を受けることはできません。

4 設問の通りです。もちろん施設サービス計画は、入所者一人一人に作成します。

5 地域密着型介護老人福祉施設は地域密着型サービスに含まれますので、介護保険施設には含まれません。

動画解説

動画解説

問題8 要介護認定の仕組みについて正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 介護保険の被保険者証が交付されていない第2号被保険者が申請するときは、医療保険被保険者証等を提示する。 

2 市町村は新規認定の調査について, 指定市町村事務受託法人に委託することができる。 

3 主治医がいない場合には, 介護認定審査会が指定する医師が主治医意見書を作成する。 

4 要介護者が他市町村に所在する介護老人福祉施設に入所する場合には,その施設所在地の市町村の認定を改めて受ける必要はない。 

5 介護保険料を滞納している者は,認定を受けることができない。

解答 1・2・4

1 介護保険の被保険者証は、第1号被保険者には交付されていますが、第2号被保険者には原則交付されません。第2号被保険者は申請をするとき、医療保険の被保険者証を提示します。

2 新規認定調査
  1市町村 2市町村事務受託法人

  更新認定調査
  1市町村 2市町村事務受託法人 3指定居宅介護支援事業者 4地域包括支援センター 5介護保険施設 6地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 7介護支援専門員

3 主治医がいない場合は、市町村が指定する医師または、市町村の職員である医師に、主治医意見書を依頼します。

4 住所が移転して保険者が変わった場合、新しい市町村で認定を受ける必要があります。改めて介護認定審査会の審査・判定を受けるの時間かかるので、

問題9 介護保険財政について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 国は、介護給付及び予防給付に要する費用の30%を負担する。

2 国は介護保険の財政の調整を行うため、市町村に対して調整交付金を交付する。

3 都道府県は、介護保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

4 地域支援事業支援交付金は、社会保険診療報酬支払基金が医療保険者から徴収する納付金をもって充てる。

5 第1号被保険者の保険料の賦課期日は、当該年度の初日である。

解答 2・4・5

1 介護保険財政についてです。財源構成は、保険料50%、公費50%です。公費の内訳について、居宅給付→国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%、施設等給付→国20%、都道府県17.5%、市町村12.5% 

2 国の負担分のうち、5%に相当する部分は調整交付金。市町村の財政力に応じて、多かったり少なかったりします。

3 保険料を徴収するのは都道府県ではありませんね。
第1号被保険者→市町村 (特別徴収か普通徴収)

4 設問の通りです。第2号被保険者の保険料の流れ。
2号さん → 医療保険者 ⏩ 社会保険診療報酬支払基金 ⇨ 市町村
⏩ 介護給付費・地域支援事業支援納付金
⇨ 介護給付費・地域支援事業支援交付金

5 設問の通り、当該年度の初日(4月1日)です。これは全国一律です。ここから保険料の徴収が始まるよ」という基準日と思っていると良いかなと思います。

問題10 介護保険における第1号被保険者の保険料について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 政令で定める基準に従い市町村が条例で定める。

2 保険料率は、おおむね5年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

3 普通徴収の方法によって徴収する保険料については、世帯主に連帯納付義務がある。

4 普通徴収の方法によって徴収する保険料の納期は,政令で定める。

5 条例で定めるところにより, 特別の理由がある者に対し, 保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。

解答 1・3・5

1 第1号被保険者の保険料は市町村条例で決めます。ちなみに第2号被保険者の保険料は、各医療保険者が定めます。

2 保険料率の設定は市町村条例において3年ごとに定めます。

3 普通徴収については、未納が起こる可能性があるので、世帯主と配偶者に連帯納付義務があります。第1号被保険者の保険料の徴収方法は、普通徴収と特別徴収があります。

4 普通徴収の納期(納付期限)は、市町村条例で定めます。

5 市町村の条例で、保険料減免(減額や、免除)や徴収猶予することができます。

動画解説

問題11 介護予防・生活支援サービス事業について正しいものはどれか。2つ選べ。 

1 居宅要支援被保険者は、利用できる。 

2 利用者の負担額は,都道府県が設定する。 

3 住所地特例適用被保険者に係る費用は、 施設所在地の市町村が負担する。 

4 介護老人保健施設の入所者は、利用できない。 

5 第2号被保険者は、利用できない。

解答 1・4

1 介護予防・生活支援サービス事業は、第1号通所事業 第1号訪問事業 第1号生活支援事業 第1号介護予防支援事業で構成されています。
対象者は、要支援1・2の人(第1ごう被保険者・第2号被保険者)基本チェックリスト該当者、2021年度より要介護認定を受ける前から第1号事業を継続的に利用している要介護者も含みます。

2 地域支援事業の実施主体は市町村なので、利用者の負担額も市町村が設定します。

3 住所地特例被保険者(住所地特例対象施設に入所、入居している人)は、もともといた市町村んの被保険者になります。地域支援事業や、地域密着型サービスは住所地のサービスを利用できます。費用に関しては、保険者(もといた市町村)が負担します。

4 設問の通りです。介護予防・生活支援サービス事業は居宅で生活する人を対象としています。

5 第2号被保険者も要支援認定を受けていれば利用可能です。

問題12 包括的支援事業の各事業において配置することとされている者として正しいものはどれか。 3つ選べ。 

1 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員) 

2 介護サービス相談員 

3 認知症地域支援推進員 

4 チームオレンジコーディネーター 

5 福祉用具専門相談員 

解答 1・3・4

包括的支援事業者は7つです。まず暗記です。
1 総合相談支援事業
2 権利擁護事業
3 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
4 在宅医療・介護連携推進事業
5 認知症総合支援事業
6 地域ケア会議推進事業
7 生活支援体制整備事業

1 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)は、生活支援体制整備事業のおいて配置されます。

2 介護サービス相談員は、地域自立生活支援事業で、介護相談員派遣等事業というものがあります。これは任意事業になります。

3 認知症総合支援事業は、認知症の早期発見、症状の悪化など、また疑いのあるの人への支援をします。その中で活動する人は、「認知症初期集中支援チーム、認知症地域支援推進員、オレンジコーディネーター」覚えておきましょう。

4 上記の内容です。

5 福祉用具専門相談員は、福祉用具事業所において配置されます。福祉用具の全般的なアドバイスを行う人です。

動画解説

問題13 介護保険法で定める国民健康保険団体連合会が行う業務として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 介護給付費交付金の交付

2 市町村から委託を受けて行う介護予防・日常生活支援総合事業に関する費用の審査及び支払

3 介護給付費等審査委員会の設置

4 指定居宅介護支援事業所への強制権限を伴う立入検査

5 市町村から委託を受けて行う第三者行為求償事務

解答 2・3・5

1 社会保険診療報酬支払基金の業務です。

2 設問の通りです。

3 設問の通りです。

4 強制権限を伴う立ち入り調査を行えるのは市町村です。国保連は、苦情があった時に事実関係を調査して、指導や助言を行うことができます。

5 設問の通りです。

動画解

問題14 介護サービス情報の公表制度について正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 原則として、介護サービス事業者は、毎年、介護サービス情報を報告する。 

2 指定居宅介護支援事業者は、介護サービス情報をその事業所の所在地の市町村長に報告する。 

3 介護サービス情報の公表は, 事業所又は施設の所在地の国民健康保険団体連合会が行う。 

4 職種別の従業者の数は公表すべき事項に含まれる。 

5 指定居宅サービス事業者が報告内容の是正命令に従わないときには、指定を取り消されることがある。 

解答 1・4・5

介護サービスを行う事業者・施設は、①介護サービスの提供を開始しようとするとき、②都道府県知事が毎年定まる計画で定めるときは、都道府県知事に報告しなければなりません。

1 原則、年1回程度の報告が想定されています。

2 介護サービス情報を報告するのは都道府県知事です。

3 情報を公表するのは、都道府県知事か、都道府県が指定した指定情報公表センターが行います。

4 設問の通りです。

5 介護サービス事業者が報告をしなかった、虚偽の報告をした、都道府県知事の調査を受けなかった、調査の実施を妨害したなど。期間を定めて、報告、是正、調査を受けることを命ずることができます。命令に従わないときは、指定の取消や効力の全部または一部の停止をすることができます。

解説動画

問題15 介護サービスに関する苦情処理について正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 利用者が国民健康保険団体連合会に苦情を申し立てる場合、 指定居宅介護支援事業者は、利用者に対して必要な援助を行わなくてもよい。 

2 国民健康保険団体連合会は、都道府県から委託を受けて苦情処理を行う。 

3 国民健康保険団体連合会は, 事業者に対する必要な指導及び助言を行う。 

4 指定訪問看護事業者は、受け付けた苦情の内容等を記録しなければならない。 

5 指定訪問介護事業者は, 苦情受付窓口の設置等の必要な措置を講じなければならない

解答 3・4・5

1 必要な援助を行う必要があります。

2 国民健康保険団体連合会の業務は、介護報酬の審査・支払い、第三者行為求償事務、苦情処理業務、介護保険事業の運営です。苦情処置業務は、都道府県の委託ではなく、独立した業務になります。

3 事実関係を調査し、改善の必要がある場合は、指導・助言を行います。指定の取り消しなどの権限は持ってもらず、そのような場合は市町村、都道府県が行います。

4 苦情の内容は記載する必要があります。

5 設問の通り、苦情窓口の設置は必要です。

問題16 要介護認定に係る主治医意見書における「認知症の中核症状」の項目として正しいものはどれか。2つ選べ。 

1 自分の意思の伝達能力 

2 徘徊 

3 幻視・幻聴 

4 短期記憶 

5 妄想 

解答 1・4

主治医意見書(厚生労働省HPより)

1 傷病に関する意見
2 特別な医療
3 心身の状態に関する意見
4 生活機能とサービスに関する意見
5 特記すべき事項

3の心身の状態に関する意見の中に、認知症の中核症状の項目があります。短期記憶、日常の意思決定を行うための認知能力、自分の意思の伝達能力

問題17 介護保険における特定疾病として正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 関節リウマチ 

2 慢性肝疾患 

3 潰瘍性大腸炎 

4 脳血管疾患 

5 骨折を伴う骨粗鬆症

解答 1・4・5

特定疾病(厚生労働省H Pより)

特定疾病を暗記していれば解ける問題でした。特定疾病は加齢が関係していると考えられる疾病です。第2号被保険者(市町村の区域内に住所があり、40歳以上65歳未満で医療保険に加入している人。)です。この要件を満たすと被保険者になります。第2号被保険者が認定を受けるためには特定疾病に該当する必要があります。

問題18 要介護認定について正しいものはどれか。2つ選べ。 

1 要介護認定等基準時間は、実際の介護時間とは異なる。 

2 要介護認定等基準時間は、同居家族の有無によって異なる。 

3 要介護認定等基準時間の算出根拠は、1分間タイムスタディである。 

4 指定居宅介護支援事業者は、新規認定の調査を行える。 

5 認定調査票の特記事項は、一次判定で使用する。

解答 1・3

要介護認定等基準時間は、実際に家庭等で行われる介護時間そのものではなく、あくまでも介護の必要性を判断するための尺度として、一定の方法により推計される客観的な基準のことです。

2 同居家族の有無によって異なるものではありません。本人はどれくらい介護が必要なのか、という基準になります。

3 「1分間タイムスタディ」という調査方法を使用します。

4 要介護認定の「新規認定調査」を行えるのは、市町村、指定市町村事務受託法人です。

5 「特記事項」は認定調査の際、認定調査員がチェック項目以外に記載するものです。二時判定に使用するものです。

問題19 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準第13条の具体的取扱方針のうち、介護支援専門員に係るものとして正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定居宅サービス等の利用が行われるようにしなければならない。 

2 その地域における指定居宅サービス事業者等に関するサービスの内容 利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に対して提供するものとする。 

3 居宅サービス計画の原案の内容について利用者やその家族に対して説明し、口頭で利用者の同意を得るものとする。 

4 作成した居宅サービス計画は,利用者から求めがなければ、利用者に交付しなくてもよい。 

5 介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。

問題20 指定居宅介護支援事業者の記録の整備について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 居宅介護支援台帳は、書面による記録と電磁的記録の両方を整備しなければならない。 

2 事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録を整備しなければならない。 

3 従業者に関する記録を整備しておかなければならない。 

4 会計に関する記録を整備しておかなければならない。 

5 サービス担当者会議等の記録は、その完結の日から5年間保存しなければならない。

解答 2・3・4

1 運営基準に、「書面に代えて電磁的記録を用いることができる。相手方の承諾を得て、書面に代えて電磁的方法による交付・説明等を行うことができる」とあります。

2 設問の通りです。事故が発生した場合は、速やかに、市町村、利用者の家族等に連絡を行うとともに必要な処置をとり、その内容を記録するとあります。

3 設問通りです。従業者、設備、備品、会計に関する諸記録の整備をするとあります。

4 設問の通りです。設問3の解説参照。

5 記録の保存は、完結の日から2年間保存です。

問題21 指定居宅介護支援に係るモニタリングについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1 利用者についての継続的なアセスメントは、含まれる。 

2 目標の達成度の把握は、含まれる。 

3 指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行う。 

4 少なくとも1月に1回、主治の医師に意見を求めなければならない。 

5 地域ケア会議に結果を提出しなければならない。

解答 1・2・3

1 介護支援専門員は、居宅サービス計画の 作成後、居宅サ ービス計画の実施状況の把握 (利用者についての継続的なアセスメントを含む)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行 うものとする。」このように、運営基準に記載されています。

2 居宅サービス計画を作成するときに、長期目標や短期目標を設定します。モニタリングでは、目標の達成度の把握は含まれます。

3 利用している居宅サービス事業者から報告を受けたり、また必要な情報を伝えたりなど、継続的に連絡をとる必要があります。

4 「少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録すること」このように規定されています。」

5 設問のような規定はありません。

解説動画

問題22 介護予防サービス計画について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて位置付けるよう努めなければならない。 

2 計画に位置付けた指定介護予防サービス事業者から、利用者の状態等に関する報告を少なくとも3月に1回、聴取しなければならない。 

3 介護予防福祉用具貸与を位置付ける場合には、貸与が必要な理由を記載しなければならない。 

4 計画に位置付けた期間が終了するときは、当該計画の目標の達成状況について評価しなければならない。 

5 介護予防通所リハビリテーションを位置付ける場合には、理学療法士の指示が必要である。

解答 1・3・4

介護予防サービス計画は、要支援認定を受けている方のケアプランを作成します。市町村から指定を受けて、地域包括支援センターが行います。

2 居宅訪問は、少なくとも3ヶ月に1回となります。指定介護予防サービス事業者からの報告は毎月になります。

5 医療系のサービスをケアプランに位置付ける場合が、医師の指示が必要です。理学療法士ではないですね。

問題23 Aさん(58歳 男性)は、会社の管理職をしていたが、仕事中に突然怒り出すことが多くなり、受診の結果、若年性認知症と診断された。Aさんは、まだ働けるという認識はあったが、退職せざるを得なくなった。夫婦二人暮らしで、妻(55歳)はパートで働いている。Aさんは要介護1の認定を受け、通所介護を週2回利用することとなった。サービス利用開始1か月後に介護支援専門員がAさん夫婦と面談したところ、Aさんは、高齢者ばかりの環境に馴染めないことと、妻のために我慢して通っていることが分かった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 妻からAさんに我慢して通所介護に通うよう説得してもらう。 

2 通所介護の場でAさんが役割を実感できるように、通所介護事業所に通所介護計画を再検討してもらう。 

3 地域の中でAさんが参加したいと思うような活動や場所を探す。 

4 通所介護の利用をやめて、Aさんが一人で自宅で過ごすことを夫婦に勧める。 

5 若年性認知症に対応する社会資源開発を地域ケア会議で提案する。

解答 2・3・5

問題24 Aさん(80歳、女性、要介護2)は、長女(50歳、障害支援区分3)との二人暮らしである。Aさんは、変形性股関節症の悪化に伴い、自宅の浴槽で入浴することが難しくなり、通所介護での入浴を希望している。しかし、長女はAさんの姿が見えなくなると不穏になるので、「長女を一人にするのが不安だ」とAさんから介護支援専門員に相談があった。この時点における介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ

1 Aさんと長女の同意を得て、長女を担当する相談支援専門員に現状を伝える。 

2 浴室の改修のため、直ちに施工業者を訪問させる。 

3 Aさんと長女が一緒に通所利用できる共生型サービス事業所の情報を収集する。 

4 Aさんがすぐに入所できる特別養護老人ホームを探す。 

5 Aさんの変形性股関節症の症状の改善の可能性について、本人の同意を得て主治医に意見を求める。

解答 1・3・5

問題25 一人暮らしのAさん(84歳、男性、要介護1)は、訪問介護を週1回利用している。認知症と診断されており、片付けができなくなったことに加え、先日は外出先で道に迷って警察に保護された。遠方に住む妹からは、「迷惑をかけるようなら施設に入るよう説得してほしい」との要望があった。Aさんは、「このまま家で気楽に暮らし続けたいが、銀行手続等の金銭管理が不安なので、介護支援専門員に管理をお願いしたい」と話している。この時点における介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 Aさんとの信頼関係を大切にするため、金銭管理を引き受ける。 

2 Aさんと妹の同意を得て、民生委員にAさんの最近の状況を説明し、見守りに関する対応を相談する。 

3 Aさんに日常生活自立支援事業についての情報提供を行う。 

4 妹の要望に応え、施設サービスの利用手続を始める。 

5 Aさんの認知症の状態や生活状況についての再アセスメントを行う。

解答 2・3・5

問題26 次の疾病の特徴として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 狭心症では、前胸部の圧迫感が生じることはない。 

2 心不全による呼吸困難時には、起座位にすると症状が改善することがある。 

3 慢性腎不全では、水分やカリウムの摂取量に注意する必要がある。 

4 高齢者の糖尿病では、口渇、多飲多尿の症状が出現しにくい。 

5 帯状疱疹は、細菌性感染症である。

解答 2・3・4

1 狭心症は冠動脈の狭窄により、心筋に必要な酸素が十分に供給できなくなります。症状としては、全胸部の圧迫感が典型的です。

2 心不全は、さまざまな原因があり、心臓のポンプ機能が低下し、臓器に必要な血液を送ることができない状態です。呼吸困難時は、仰臥位ではなく、起座位(身体を起こして座った状態)にする事で、症状の改善が得られます。頻出のポイントになります。

3 慢性腎不全は、糖尿病や高血圧などあらゆる病気が原因となります。カロリーを維持したまま、水分、タンパク質、カリウムを制限する必要があります。

4 尿中の糖が多くなると糖の濃度を薄めようとして多量の水分が移動して、多尿が起こるとともに、水分不足による口渇、多飲症状が起こりますが、高齢者では症状がはっきりしないことが多いです。

5 帯状疱疹は、水痘、帯状疱疹ウイルスに再活性化によって起こります。ウイルス性の疾患です。

問題27 高齢者の精神障害について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1 老年期うつ病では、妄想の症状が発現することはない。 

2 老年期うつ病では、自死を図ることはない。 

3 高齢者の妄想性障害への対応では、共感が大切な要素である。 

4 神経症は、病気ではなく、気のもちようである。 

5 アルコール依存症のケアには、自助グループなどの地域の社会資源の活用も有用である。

解答 3・5

高齢期うつ病は妄想の症状が出ることもあります。高齢期の精神疾患は、典型的ではなく。訴えが曖昧だったります。自殺を図ることもありえます。試験的にも、○○することはない。という表現は間違いの場合が多いです。

1 妄想の症状が発症することもあります。妄想とは、他の人にとってはあり得ないと思うことを確信してしまうことです。周りが説得しても納得できないことがあります。

2 気分の落ち込みや、睡眠障害、自律神経症状など、さまざまな症状が考えられます。症状がひどくなると、自殺を図ることもあります。

3 共感や社会的支援が大切になります。

4 原因が色々と考えれますが、ストレスなどで起こる病気のことです。以前はノイローゼと言われていました。気の持ちようというわけではありません。

5 設問の通りです。依存治療としてリハビリをしたり、断酒会に通うなども有用です。

問題28 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 起立性低血圧は、降圧薬、利尿薬などの薬剤の使用も原因になる。 

2 加齢とともに血管の弾力が失われるため、収縮期血圧が低くなる傾向がある。 

3 橈骨(とうこつ)動脈で脈が触れない場合には、頸動脈や股動脈で脈拍をみる。 

4 重度の徐脈は、失神を伴うことがある。 

5 昏睡とは、刺激がないと眠ってしまう状態である。

解答 1・3・4

1 起立性低血圧は、立ち上がった時に血圧が低下するいわゆる立ちくらみですね。パーキンソン病や、降圧剤、利尿剤、抗うつ薬、血管拡張薬、薬剤、飲酒などが原因になる場合があります。

2 高齢になると、血管が硬くなる(動脈硬化)が進むため、収縮期(最高血圧)が高くなり、拡張期血圧(最低血圧)は低くなります。

3 設問の通りです。

4 設問の通り、徐脈には様々が疾患が考えられます。

5 昏睡は、自発的運動がなく痛覚刺激に反応しないです。設問の内容は傾眠ですね。

インデックスカード

バイタルサイン⑤
1体温 2脈拍 3血圧 4意識レベル 5呼吸

意識レベル⑤
1晴明 2傾眠 3昏迷 4半昏迷 5昏睡

脈拍③
1頻脈 100回 分 以上
2徐脈 60回 分 未満
3不整脈 拍動の乱れ

問題29 検査項目について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 BMI( Body Mass Index )は、身長( m )を体重( kg )の2乗で除したものである。 

2 血清アルブミンの値は、高齢者の長期にわたる栄養状態をみる指標として有用である。 

3 AST(GOT)・ALT(GPT)の値は、肝・胆道疾患の指標となる。 

4 血清クレアチニンの値は、腎機能の指標となる。 

5 ヘモグロビンHb A1cの値は、過去1週間の平均的な血糖レベルを反映する。

解答 2・3・4

1 BMIは、体重(kg)÷身長(m)×身長(m)で計算します。

2 血清アルブミンは肝臓で合成されるタンパク質です。高齢者の栄養状態をみる指標になります。

3 AST(GOT)・ALT(GPT)の値は、肝・胆道疾患の指標と覚えおきましょう。

4 クレアチニンは血液中の老廃物のことです。血液中の老廃物は腎臓でで濾過されますが、腎臓の機能が低下していると尿として排出されず血液に残ってしまいます。数値が高くなれば腎機能の低下が考えられます。

5 ヘモグロビンHb A1cは、過去1〜2ヶ月の平均的な血糖レベルを反映しています。

インデックスカード

(表)BMI
(裏)体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

(表)血清アルブミン
(裏)血液中のタンパク質 栄養状態の指標  3.6g/dL以下 骨格筋の消耗

(表)AST(GOT)・ALT(GPT)
(裏)肝機能の指標

(表)血清クレアチニン
(裏)腎機能の指標 機能低下で高値

(表)ヘモグロビンHb A1c
(裏)過去1〜2ヶ月の平均的な血糖レベル

問題30 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 介護を行うときには、利用者の残存能力をできる限り活かす。 

2 入浴は、全身の保清を図り、血液循環や新陳代謝を促進する。 

3 清拭をするときには、その部屋の温度を確認する。 

4 尿失禁とは、尿を全部出しきれず、膀胱の中に尿が残ることをいう。 

5 ボディメカニクスとは、起床、食事、排泄など、利用者の生活リズムを取り戻すことをいう。

解答 1・2・3

1 自立支援の観点から考えても、できることを活かしながら、できないことを介護することあ大切になります。

2 設問の通りです。入浴することで、心身ともにリラックスできます。

3 清拭をするときは居室温度の調整が必要です。また肌の露出を少なくすることも大切です。

4 尿失禁は尿が漏れてしまう状態のことです。
腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁があります。

5 ボディメカニクスは、生活リズムを戻すことではありません。力学的相互関係を利用して行う姿勢や動作です。介護技術のことですね。

インデックスカード

(表)尿失禁④
(裏)1腹圧性尿失禁、2切迫性尿失禁、3溢流性尿失禁、4機能性尿失禁

問題31 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 味覚は、舌や口蓋等にある味蕾(みらい)が刺激されて起こる。 

2 誤嚥とは、飲食物や唾液、胃の内容物が気管内に入ることをいう。 

3 薬のPTP包装シート(プラスチックにアルミなどを貼り付けたもの)を誤って飲み込んだ場合、排泄されるため心配はない。 

4 認知症と口腔環境とは、無関係である。 

5 口腔内・口腔周囲を動かすことは、オーラルフレイル予防につながる。

解答 1・2・5

問題32 認知症について適切なものはどれか。2つ選べ。

1 BPSD(認知症の行動・心理症状)は、住環境などの環境因子の影響は受けない。 

2 若年性認知症は、うつ病など、他の精神疾患と疑われることがある。 

3 前頭側頭型認知症では、リアルな幻視やパーキンソニズムが特徴である。 

4 パーソン・センタード・ケアは、介護者本位で効率よく行うケアである。 

5 介護支援専門員が、利用者本人の同意を得て、心身の変化などを主治医に伝えることは、よりよい医療につながる。

解答 2・5

1 BPSDは行動心理症状と言われ、個人因子や環境の影響を強く受けます。介助者の対応によっても症状に変化があります。

2 若年性認知症は、65歳未満で発症する認知症のことです。アルツハイマー型認知症が多く、設問にあるように、うつ病や精神疾患と疑われることがあります。

3 リアルな幻視や、パーキンソン症状が特徴的なのは、レビー小体型認知症です。

4 パーソン・センタードケアは、認知症になっても「その人らしく生きる」「個別ケア」を大切にする考え方です。

5 本人同意を得ることは必要ですが、主治医に伝えることで、より良い医療につながると考えられます。

動画解説

問題33 リハビリテーションについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 代償的アプローチには、残存機能の活用が含まれる。

2 急性期リハビリテーションは、一般に、廃用症候群の予防と早期発見からのセルフケアの自立を目標とする。

3 回復期リハビリテーション病棟では、多職種による集中的なリハビリテーションが提供される。

4 終末期にあるものは、対象とならない。

5 指定訪問リハビリテーションは、バス等の公共交通機関への乗降の支援を対象としない。

解答 1・2・3

問題34 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 薬剤師は、薬剤を処方してはならない。

2 介護職員は、服薬介助を行ってはならない。

3 医療用医薬品と健康食品の併用による有害な相互作用の可能性について注意が必要である。

4 薬の変更や中止で重篤な症状が起こることはない。

5 内服や薬は、通常、水又はぬるま湯で飲む。

解答 1・3・5

1 薬剤を処方するのは医師か歯科医師です。薬剤師は薬剤の調剤をします。

2 介護職員は服薬介助をすることができます。実際の介護現場でも服薬の介助を行っています。

3 設問の通り、一緒の摂取する食品によっては現れない作用が出たり、強く出たり、効果が弱くなることがあるので注意が必要です。

4 急に薬を変更したり、中止したりすると重篤な症状が出ることがあります。

5 設問の通りです。約100mlの水又はぬるま湯で飲みます。

問題35 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 居宅介護支援事業所から病院への情報提供のため、入院時情報提供書が使われることがある。

2 エビデンス・ベースド・メディスン(Evidence Based Medicine :EBM)は、根拠に基づく医療のことである。

3 介護支援専門員は、患者自身が治療法を選択する際に、第三者的な立場から助言してはならない。

4 介護支援専門員は、退院前カンファレンスに参加することが望ましい。

5 チームアプローチでは、住民によるボランティア活動を含まない。

解答 1・4・5

1 設問の通り。

2 エビデンス・ベースド・メディスン(Evidence Based Medicine :EBM)、科学的根拠に基づいた医療のこと。

3 第三者的な立場から助言することも必要な時があります。

4 設問の通り。必要に応じてカンファレンスに参加することが望ましい。

5 住民によるボランティア活動にようなインフォーマルな資源もも含みます。

問題36 高齢者の栄養・食生活について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 必要な栄養を食事では摂りきれない場合でも、間食で補うことは適当でない。 

2 咀嚼能力や唾液分泌の低下などから、摂食・嚥下障害を起こしやすい。 

3 食事中に口から食べ物をこぼす場合、口腔・嚥下機能評価を行うとよい。 

4 食べることを通じて尊厳ある自己実現を目指す。 

5 食事支援では、介護する家族の状況を考える必要はない。

解答 2・3・4

1 必要な栄養を食事で摂取することが理想ではありますが、高齢になる一回の食事量が減少し栄養が不足することがあります。間食で補うことが必要な場合もあります。

2 高齢になると唾液分泌が減少し、口の渇きが出やすくなります。航空の変化といて、口腔粘膜の萎縮、歯槽骨の吸収、咀嚼筋の筋力低下などがあります。

3 設問の通りです。

4 設問の通りです。

5 そんなことはないですね。食事は介護者が準備や介助をする場合もあります。もちろん家族の状況を考えることも必要です。

問題37 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。 

1 中心静脈栄養法では、静脈炎にならないように末梢静脈を用いる。 

2 経鼻胃管の種類には、バルーン型とバンバー型がある。 

3 血液透析のためのシャントは,動脈と静脈をつなぎ合わせた部位のことである。 

4 ネブライザーは,気道を加湿して痰を出しやすくするために用いる機器である。 

5 パルスオキシメーターは、血液中の酸素飽和度を測定する機器である。

解答 3・4・5

1 中心静脈栄養法は、点滴剤を血管に直接入れる方法です。抹消静脈などの細い血管に実施してしまうと体液との関係で静脈炎になってしまいます。そのため、中心静脈という太い血管に栄養剤を入れます。

2 経管栄養法は、医療処置として栄養を補う方法です。種類としては、経鼻胃管、食道ろう、胃ろう、腸ろうがあります。
経鼻胃管は、鼻から胃に到達する管を入れるものです。設問にある、バルーン型とバンパー型は胃ろうについてですね。

3 設問の通りです。血液透析で、「シャント」はよく出るポイントですね。シャント側の腕で血圧を測らないなどの注意が必要です。

4 霧状にした薬を気管や肺に吸い込むことで症状を緩和したり、気道を加湿して痰を出しやすくする機器です。

5 設問の通りです。喀痰吸引の必要性や緊急連絡の判断をする目安となります。

問題38 次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐには元に戻らない場合は、脱水を疑う。 

2 薬の服用時間における食間とは、食事中に服用することである。 

3 言葉が出てこない、又はろれつが回らないという症状が突然生じた場合は、脳卒中の可能性がある。 

4 転倒による頭部打撲後、すぐに意識障害が起こらなければ問題はない。

5 前立腺肥大症の場合、尿意を感じたら、早めにトイレに行くよう心がける。

解答 1・3・5

1 脱水の症状として、ふらつき、めまい、だるさ。顔が赤くなるなどさまざまな症状があります。皮膚の緊張の低下も特徴的で、皮膚を摘み上げるとすぐに戻らなくなります。

2 服用時間の目安として、食前、食後、食間、頓服がある。食間とは食事中のことではなく、食事と食事の間のことです。

3 設問の通りです。脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血のことです。脳の血管が破れたり詰まったりするので、意識障害や麻痺、失語などが起こります。ろれつが回らないという症状もあります。そのほかにも顔の片側が下がるとか、腕の片方が力が入らないなどは注意が必要です。

4 その時に意識障害がなくても、時間が経ってから起こることもあります。医療機関での検査が必要です。

5 設問の通りです。前立腺肥大は男性に起こる病気です。排尿障害が起こり、症状としては頻尿があります。ついでに尿失禁についても覚えておきましょう。腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁があります。前立腺肥大は溢流性尿失失禁ですね。自分で尿をなかなか出すことができず、少しずつ漏れます。

問題39 次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 健康日本21(第二次)では、健康寿命を延ばすことを目指している。 

2 就労、ボランティアなどの社会参加は、フレイル予防に役立たない。 

3 パーキンソン病の場合、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。 

4 膝関節症による痛みや腫脹を抑えるには、定期的な運動が効果的である。 

5 高齢者においては、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨される。

解答 

問題40 臨死期について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 家族に対して、今後予想される状況に即した病状説明が行われるよう配慮する。 

2 在宅で看取る場合、呼吸停止の瞬間に、医師が立ち会う必要がある。 

3 呼吸をするたびに、喉元でゴロゴロと音がする状態(死前喘鳴)になることがある。 

4 臨終が近づき、応答がなくなった場合には、本人への語りかけをやめる。 

5 死後のケアであるエンゼルケアは、身体を清潔にし、その人らしい外見に整えるためのものである。

解答 

問題 41 訪問看護について正しいものはどれか。 3つ選べ。 

1 急性増悪時に主治医から特別指示書が交付された場合、介護保険から給付が行われる。 

2 介護保険の指定訪問看護ステーションの管理者は、原則として、常勤の保健師又は看護師でなければならない。 

3 提供に当たっては、常に利用者の病状、心身の状況及びその置かれている環境の的確な把握に努める。 

4 保険医療機関の指定を受けている病院は, 介護保険の指定訪問看護事業者とみなされる。 

5 24時間365日、サービスを提供しなければならない。

解答 

1 訪問看護のサービスは、医療保険にも介護保険にもあります。給付調整の単元でもしますが、原則介護保険からが優先的に適応されます。介護保険から訪問看護を利用するときも、医療系サービスについては医師の指示書が必要になります。(訪問看護指示書 有効期間6ヶ月)

【医療保険から訪問看護を提供できる場合】
急性増悪時、ターミナル期、退院時→特別訪問看護指示書
精神科訪問看護
末期がん
厚生労働大臣が定める疾病等

問題42 指定通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1 利用者の生活機能の維持又は向上を目指し、心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。 

2 介護老人福祉施設で提供される。 

3 事業所には、生活相談員を配置しなければならない。 

4 通所リハビリテーション計画は、医師及び理学療法士、作業療法士等の従業者が、共同して作成する。 

5 通所リハビリテーション計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直す。

解答 1・4・5

問題43 指定短期入所療養介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 家族の身体的及び精神的な負担軽減を図るために利用できる。 

2 看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行う。 

3 居宅サービス計画において、あらかじめ位置付けられていない場合には、利用することができない。 

4 短期入所療養介護計画は、おおむね4日以上連続して利用する場合に作成する必要がある。 

5 ターミナルケアは、行われない。

問題44 指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護について正しいものはどれか。3つ選べ。 

1 利用者が尊厳を保持し、可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう援助を行う。 

2 要支援者も利用できる。 

3 利用者の心身の状況にかかわらず、 毎日, 訪問しなければならない。 

4 随時対応サービスについては,利用者のみならずその家族等からの在宅介護における相談等にも適切に対応する。 

5 介護・医療連携推進会議は,おおむね6月に1回以上開催しなければならない。

解答 1・4・5

1 「要介談状態となった場合においても、その利用者が尊厳を保持し、可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、定期的な巡回又は随時通報によりその者の居宅を訪問し、入浴、排せつ 、食事等 の介護、日常生活上の緊急時の対応その他の安心してその居 宅において生活を送ることができるようにするための援助を行うとともに、その療養生活を支援し 、心身の機 能の維持回復を目指すものでなければならない」
長いですが運営基準にこのように記載れています。

2 対象者は要介護者です。地域密着型サービスで、要支援者が対象のサービスは、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護です。

3 そのような規定はありません。①定期巡回サービス、②随時対応サービス、③随時訪問サービス、④訪問看護サービスを組み合わせて、利用者に合わせて提供します。

4 設問の通りです。

5 運営基準で、そのように決められています。

動画解説

問題45 介護老人保健施設について正しいものはどれか。 2つ選べ。 

1 社会福祉法人は, 開設できる。 

2  ユニット型では, 一のユニットの定員は, 15人を超えることが認められている。 

3 入所定員が100人以上の場合には、 栄養士又は管理栄養士を置を置かなければならない。 

4 処置室を設けなければならない。 

5 全国では、全入所者のうち要介護4及び要介護5の者が占める割合は、80%以上である。

解答 1・3

1 介護老人保健施設を開設できるのは、地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生労働大臣が定める者です。もちろん社会福祉法人は開設できます。

2 1ユニットの入居定員は、原則概ね10人以下とし、15人を超えないものと定められています。

3 入所定員が100人以上の施設は、常勤で1人以上となります。定員100人未満の施設も常勤職員の配置に努めるとされています。

4 処置室の設置義務はありません。

5 要介護4と5の割ありを合わせると約45%です。ちなみに介護医療院では80%を超えています。

問題52 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 指定訪問介護事業所の管理者については、特段の資格は不要である。 

2 サービス提供責任者は、介護福祉士でなければならない。 

3 介護支援専門員は、一定回数以上の生活援助中心型の訪問介護を居宅サービス計画に位置付ける場合には、その居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。 

4 利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする。 

5 指定訪問介護事業者は、利用申込者の要介護度が重いことを理由として、サービスの提供を拒むことができる。

解答 1・3・4

1 管理者の要件は、常勤、専従です。特に資格の条件はありません。

2 サービス提供責任者について条件があります。介護福祉士、実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修終了課程修了者、旧訪問介護員1級課程修了者など。

3 設問の通りそのようになっています。

4 設問の通り。保険給付対象外サービスの場合は、介護支援専門員に報告、相談などが必要です。

5 利用申込者の要介護度が重いことを理由として、サービス提供を拒むことはできませんね。

問題54 介護保険における福祉用具について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 使用目的は、利用者の自立した日常生活の支援であり、介護者の負担軽減ではない。 

2 貸与する際には、福祉用具専門相談員は、具体的なサービス内容等を記載した福祉用具貸与計画を作成しなければならない。 

3 複数の福祉用具を貸与する場合には、通常の貸与価格から減額して貸与することができる。 

4 入浴用いすなどの入浴補助用具は、特定福祉用具販売の対象となる。 

5 取付工事の有無にかかわらず、手すりは福祉用具貸与の対象となる。

解答 2・3・4

1 自立支援はもちろんですが、介護者の負担軽減も含まれますね。

2 設問の通りです。

3 設問の通りです。

4 入浴や排泄に使用する用具は、特定福祉用具販売の対象になると覚えておくといいですね。

5 取り付け工事を行なった手すりは、住宅改修になります。

問題57 指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。 3つ選べ。 

1 明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行うよう努めなければならない。 

2 市町村長が指定する。 

3 入所者の負担により、当該施設の従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。 

4 褥瘡の発生を予防するための体制を整備しなければならない。 

5 入所者のためのレクリエーション行事を行うのであれば,教養娯楽設備等は備えなくてもよい。

解答 1・3・4

1 設問の通りです。地域との関わりについても務めなければならないとされています。

2 指定介護老人福祉施設は、介護保険施設に含まれます。介護老人福祉施設、介護老人保健施設介護医療院

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