過去問 第24回

問題1 2020(令和2)年の介護保険法改正について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 国及び地方公共団体は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならないこととされた。 

2 市町村は、地域ケア会議を置くように努めなければならないこととされた。 

3 高齢者と障害児・者が同一の事業所でサービスを受けやすくするための共生型サービスが創設された。 

4 厚生労働大臣は、要介護者等に提供されるサービスの内容について調査及び分析を行い、その結果を公表するよう努めるものとされた。

5 一定以上の所得がある第1号被保険者の介護給付及び予防給付の利用者負担割合が3割とされた。

解答 1・4

介護保険法の改正の問題は、難しく感じると思います。2005、2011、2014、2017年の改正の改正の内容を暗記しておくことが大切です。

1 正しい

2 2014年の改正です。地域支援事業の設置が、市町村の努力義務として位置付けられました。

3 共生型サービスが創設されたのは、2017年の改正です。

4 設問の通りです。

5 一定以上の所得がある第1号被保険者の介護給付及び予防給付の利用者負担割合が3割とされたのは、2017年の改正です。

問題3 社会保険方式の特徴として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 国民の参加意識や権利意識を確保し、加入者に受給権を保障する仕組みである。 

2 リスク分散の考え方に立つことで、社会保障の対象を一定の困窮者から国民全体に拡大した普遍的な制度となっている。 

3 社会保険制度の財源は、原則として公費である。 

4 保険料を納付しない者や制度への加入手続をとらない者は、給付を受けられないことがある。 

5 給付は、受給者があらゆる資産を活用することを要件として行われる。

解答 1・2・4

1 保険料を払う見返りとして、介護サービス(保険給付)を受ける権利が明確になります。これにより自分が保険に加入(保険料を支払う)している。そして必要な時に保険を利用できるという意識になります。国民の理解が得やすいということです。

2 保険に加入することで、保険料を支払い、保険事故が起これば保険給付を受けることができます。つまり加入している人が全て対象となります。

3 社会保険制度の特徴として、財源に加入する人の保険料が含まれます。

4 社会保険は要件を満たせば原則、強制加入です。もちろん加入していない、保険料を支払わないなどあれば、給付を受けられないことがあります。

5 社会保険にこのような要件はありません。

動画解説

問題4 介護保険の第2号被保険者について正しいものはどれか。2選べ。

1 第2号被保険者は、市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の者すべてである。

2 第2号被保険者のうち保険給付の対象者は、特定疾病を原因として要支援・要介護状態になった者である。

3 第2号被保険者の保険料は、被保険者が住所を有する市町村が徴収する。

4 第2号被保険者の保険料は、地域支援事業のうち任意事業の財源には充当されない。

5 第2号被保険者は、要介護3以上であっても、指定介護老人福祉施設には入所できない。

解答 2・4

1 第2号被保険者の要件は、「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者」となります。設問では年齢要件は満たしていますが、医療保険加入と記載がないので誤りです。

2 第2号被保険者は、要介護・要支援認定(保険事故)が認められるのに、特定疾病に該当する必要があります。第1号被保険者についてはそのような規定はありません。

3 第2号被保険者の保険料は、医療保険者が医療保険料と一緒に徴収します。被保険者要件に、「医療保険加入者」とありますので、このへんが関係しています。

4 地域支援事業のうち、包括的支援事業と任意事業の財源については、第2号被保険者の保険料は充当されません。シンプルに覚えておくといいですね。

5 原則要介護度3以上でないと入所できませんが、例外的に要介護1〜2でも入所できる場合があります。BPSDが著しく在宅生活が難しいことや、虐待があるといった特別な理由がある時です。

問題5 「国⺠の努力及び義務」として介護保険法第 4 条に規定されているものはどれか。 3 つ選べ。

1 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。

2 加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める。

3 可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営む。

4 要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努める。

5  認知症に対する理解を深めるよう努める。

解答 1・2・4

介護保険法第4条 国民の努力及び義務

1 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
2 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

介護保険法第4条の問題は過去にも出題されています。

条文をそのまま暗記するのは難しいので、キーワードで覚えておくといいですね。

・健康の保持増進
・その有する能力の維持向上
・費用を公平に負担する

問題6 介護保険法において市町村が条例で定めることとされている事項として正しいものはどれか。3つ選べ。

1 保健福祉事業 

2 区分支給限度基準額の上乗せ 

3 市町村特別給付 

4 指定介護老人福祉施設に係る入所定員の人数

5 地域包括支援センターの職員の員数

解答 2・3・5

ケアマネ試験では、「市町村の条例」という言葉がよく出てきます。国が定める法令の範囲内で、市町村が決めることができる。そんなイメージでいいと思います。暗記ポイントになります。市町村条例で定めることは他にもありますので、確認しておくといいですね。

市町村条例で定めるもの

・区分支給限度基準額の上乗せ 
・市町村特別給付
・地域包括支援センターの職員の員数
など。

問題7 区分支給限度基準額が適用されるサービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。

1 福祉用具貸与 

2 小規模多機能型居宅介護 

3 居宅療養管理指導 

4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 

5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

解答 1・2・5

介護保険には、支給限度基準がという限度が設けられています。使い放題というわけではありません。支給限度基準額というと、いくつか種類があります。

区分支給限度基準額、福祉用具購入費支給限度基準額、住宅改修費支給限度基準額、種類支給限度限度基準額があります。

今回の問題では、区分支給限度基準額についてです。これは1ヶ月に利用できる保険給付の限度額を介護度別に定めています。対象になるサービス、ならないサービスをしっかり覚えておきましょう。詳しくは動画で解説しています。

動画解説

問題8 共生型サービスの指定の対象となる介護保険サービスとして正しいものはどれか。3つ選べ。

1 地域密着型通所介護 

2 介護予防短期入所生活介護 

3 通所リハビリテーション 

4 訪問介護 

5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

解答 1・2・4

共生型サービスとくれば、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ、このキーワードが出てくればいいですね。

詳しくは動画解説を確認ください。

動画解説

問題9 都道府県知事が指定する事業者が行うサービスとして正しいものはどれか。2つ選べ。

1 特定福祉用具販売 

2 認知症対応型共同生活介護 

3 介護予防支援

4 介護予防短期入所療養介護 

5 看護小規模多機能型居宅介護

解答 1・4

介護保険サービスを提供する事業者・施設は、都道府県知事または、市町村長の指定(または許可)を受ける必要があります。

試験では、都道府県知事なのか、市町村長なのかがよく出題されます。

施設サービス、居宅サービス → 都道府県知事

介護予防支援、居宅介護支援、地域密着サービス → 市町村長

動画解説

問題10 介護支援専門員について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 その業務を行うに当たり、関係者から請求があったときは、介護支援専門員証を提示しなければならない。 

2 他の都道府県へ登録を移転する場合には、移転先の都道府県知事が実施する介護支援専門員実務研修を受講しなければならない。 

3 介護支援専門員証の有効期間は、5年である。 

4 その業務のために正当な理由がある場合に限り、その名義を他人に使用させることができる。

5 介護支援専門員であった者は、退職後においても、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。

解答 1・3・5

介護支援専門員の義務7つ覚えましょう。

1公正・誠実な業務遂行業務 2基準遵守義務 3資質向上努力義務 4介護支援専門員証の不正使用の禁止 5名義貸しの禁止 6信用失墜行為の禁止 7秘密保持義務

1 介護支援専門員は、身分証に携行義務がありますので、請求があったときは提示しなければなりません。

2 介護支援専門員の登録は、都道府県が管轄になります。引っ越した場合は引っ越した先の都道府県に登録の必要があります。

問題12 介護保険の費用の負担について正しいものはどれか。3 つ選べ。

1  介護給付及び予防給付に要する費用の 50%は、公費により賄われる。

2  施設等給付に係る都道府県の負担割合は、17.5%である。

3  調整交付金は、国が全額負担する。

4  普通調整交付金は、すべての市町村に一律に交付される。

5  特別調整交付金は、第 1 号被保険者総数に占める後期高齢者の加入割合などにより、市町村ごとに算定される。

解答 1・2・3

1 介護保険の財源構成は、公費50% 保険料50%

2 施設等給付の公費の割合は、国20% 都道府県17.5% 市町村12.5%

3 調整交付金は国が全額負担します。

4 普通調整交付金は、市町村の財政力の強弱に応じて傾斜的に交付されます。

5 特別調整交付金は、災害時等の保険料減免等の特殊な事情の時に交付されます。設問は普通調整交付金についての内容です。

動画解説

問題41 指定訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 高齢者が自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援する。

2 訪問看護事業所には、言語聴覚士を配置することができる。

3 訪問看護では、薬剤の処方も行う。

4 訪問看護事業所は、介護老人保健施設の入所者にも訪問看護を提供できる。

5 訪問看護の提供に当たっては、家族に対しても適切な指導を行う。

解答 1・2・5

訪問看護の業務内容
1 病状の観察と情報収集
2 療養上の世話
3 診療の補助
4 精神的支援
5 リハビリテーション
6 家族支援
7 療養指導
8 看取りの支援

1 訪問看護の業務に含まれています。

2 訪問看護事業所には、2.5人以上、看護職員(保健師、看護師、准看護師)を配置します。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も適当数配置することができます。

3 訪問看護に業務内容に含まれていません。

4 介護老人保健施設の入所者は、施設内の職員、専門職から必要な支援を受けます。居宅サービス事業者等からサービスを受けることができません。

5 訪問看護の業務内容に含まれています。

問題43 指定看護小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 訪問看護及び小規模多機能型居宅介護の組合せによりサービスを提供する。 

2 登録者の居宅サービス計画は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成する。 

3 居宅サービス事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。 

4 そのサービスを利用しない日に登録者が通所介護を利用した場合には、通所介護費を算定することができる。 

5 利用者に対してターミナルケアを行うことができる。

解答 1・3・5

1 訪問看護と小規模多機能型居宅介護居宅介護を組み合わせたサービスになります。

2 登録者のサービス計画は、看護小規模多機能型居宅介護に所属している介護支援専門員が作成します。(看護小規模多機能型居宅介護計画)ちなみに介護支援専門員の人員基準は、1以上、非常勤可、兼務可となります。

3 看護小規模多機能型居宅介護サービスを利用していても、居宅サービスの訪問リハビリ、居宅療養管理指導、福祉用具貸与のサービスは利用できます。設問にあるように、他の事業者と連携は必要です。

4 看護小規模多機能型居宅介護事業者に登録している場合、通所介護費を算定することはできません。

5 設問の通りです。

問題44 介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 入所者の在宅復帰を目指す。 

2 入所者は、要介護者より要支援者が多い。 

3 サテライト型小規模介護老人保健施設は、定員29人以下である。 

4 施設内で提供される保健医療サービスで完結する施設サービス計画を立てる。 

5 災害その他のやむを得ない事情がある場合でも、入所定員を超えて入所させてはならない。

解答 1・3

1 介護老人保健施設の意義、目的は自立支援と在宅復帰です。

2 対象者は、要介護1から5の認定を受けた人です。また、病状が安定して入院の必要がないことや、リハビリテーションが必要な人とされています。

3 介護老人保健施設には類型があります。
  ①ユニット型介護老人保健施設
  ②サテライト型小規模介護老人保健施設
  ③医療機関併設型小規模介護老人保健施設
  ④分館型介護老人保健施設
  ⑤介護療養型老人保健施設
小規模介護老人保健施設の定員は、29人以下です。

4 誤り。在宅復帰を目指しますから、保健医療サービスだけでなく、福祉サービスや、インフォーマルなサービスも含んだ計画を立てます。

5 災害などの特別な事情があるときは可能です。

問題45 介護医療院について正しいものはどれか。2つ選べ。

1 主として短期的な療養が必要である要介護者を対象とする。 

2 その開設に当たっては、医療法に基づく都道府県知事の許可を受けなければならない。 

3 2020(令和2)年3月末時点で全国で1,000施設以上ある。 

4 ユニットケアを行うユニット型もある。 

5 入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める。

解答 4・5

1 介護医療院は、医療が必要な要介護高齢者が対象で、長期療養や日常生活の世話を行うことを目的とした施設です。

2 介護保険法に基づく都道府県の許可です。

3 2020(令和2)年3月末時点では、全国で500施設ほど、2022(令和4)年末では約750施設まで増えています。

4 介護医療院にはいくつかの類型があります。ユニット型介護医療院、医療機関併設型介護医療院、併設型小規模介護医療院、標準的なタイプのものがあります。

5 運営に関する基準の中に、「適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努める」このように記載されています。

動画解説

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