本の紹介です。三好春樹さんの著書です。
在宅介護応援ブック いざという時の介護施設選びQ&A (介護ライブラリー)
在宅で介護をされている方の疑問に答えながら、わかりやすく説明してあります。特に「介護施設選び」を中心に、どんな種類の施設があり、いい施設とはなにかを介護をしている家族目線で書いてあります。介護されている方にはお勧めですし、現役の介護職の方も是非読んみてください。私もすごく勉強になりました。
高齢者が入所できる施設とは。
介護の仕事をしていても、高齢者が入所できる施設を全て説明出来る人は少ないと思います。たくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。
介護保険施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院これをおさえておくといいと思います。みなさんも聞いたことがあると思います。
それから、地域密着型サービスというものもあります。これは、その地域の人しか利用できない介護保険のサービスです。近年増えています。グループホームや小規模多機能型居宅介護などがあります。このへんを知っているといいです。
それから、有料老人ホームが有名ですが、有料老人ホームと言っても、健康型、住宅型、介護付きがあり、介護付きは介護保険の特定施設入居者生活介護の指定をうけます。非常にわかりづらいと思います。このような施設の特徴を詳しく説明されています。
入所以外のサービス。
できれば施設に入所することなく、在宅で生活したいと考えると思います。家から通所して利用できる介護保険サービスもあります。
デイサービスとデイケア
どちらも家から通所してサービスを利用します。デイサービス(通所介護)は小規模から大規模までさまざまです。大きい施設のデイルームで行うところもあれば、古民家で家庭的な雰囲気を大切にしているところもあります。どちらが良い悪いはありません。自分に合う方を選択することをおススメします。食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
デイケア(通所リハビリテーション)も自宅から通所してサービスを受けます。老健や医療法人が運営していることが多いです。デイケアではリハビリを受けることができるので、機能訓練や筋力維持を目指すことができます。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士など、リハビリの専門職がいます。
良い施設の見分け方。
それでは良い施設の見分け方について、私の考えも入れながら書いていきたいと思います。
見学に行くことができる。
介護施設の情報をパンフレットやネットでみてもピンとこないと思います。まずは自分の目で見に行くことおススメします。ほとんどの施設は見学が可能です。もし連絡を入れて断られるようなことがあれば、候補から外すのがいいと思います。介護施設は閉鎖的であってはいけません。外部の目が行き届いているのは大切なことです。また、入所となればほとんどの場合長期となります。長く住むところですから慎重に検討してください。
見学の際、職員の様子も大切です。あいさつをしているか。笑顔であるか。清潔感のある服装であるかなど。施設の雰囲気は職員の言動や様子に現れます。よい施設は見学者も多いので、職員も対応に慣れています。
食事の様子もみてみよう。
タイミングにもよりますが、食事の様子は大切要素がたくさんあります。まずは椅子に座っていることです。車いすに座ったままの人は多いのはあまりよくありません。本来、車いすは移動するためのものです。食事の時は椅子に移乗します。椅子の方がしっかりとした姿勢が作れるので、誤嚥や食べこぼしのリスクが少なくなります。
入所している人には、自分で食べることができず食事介助が必要になる場合があります。一人の職員で数人の食事介助をするのはよくありません。1対1がベストです。人員不足の中でも食事の時にしっかりと人員を確保できてるのは、施設側の努力がみられます。
またグループホームや小規模多機能型居宅介護では、職員も一緒に食事をして会話のある食事風景がいいと思います。食事は楽しくおこなうというのが大切なポイントになります。
お風呂を見せてもらおう。
排泄・食事・入浴は介護施設にとって重要です。見学に行った際は浴槽や脱衣所なども見せてもらうことをおススメします。今までは大きな浴槽があり、立派な機械浴があることがよいとされましたが、最近はユニットケアが主流でユニットごとに家庭的な浴槽があり、個浴が多いです。
大きいお風呂だと、一度にたくさんの利用者が入浴するので、お風呂に入った気持ちにはならないでしょう。また、個浴でも介護度の高い方の入浴は可能です。介護用品をうまく使い、介護職のスキルが高ければできることが多くあります。私たち介護職も入浴介助のスキルを身に着ける必要がありますね。
まとめ。
よい介護施設はどんなところでしょうか?毎日安心して生活できる環境であったり、食事・排泄・入浴を気持ちよく受けられることなど。ポイントはいくつもあります。介護保険のサービスを提供する事業所はそれぞれ特徴や得意としている分野があります。自分に合うところを時間をかけて見つけていくことが必要です。
また、介護を提供する私たちも、よい施設について考えなければなりません。介護する側にとってよい施設になっていませんか?利用者さんやご家族の気持ちに配慮した環境や介護を提供していきたいですね。
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